2009年03月02日
葡萄豆知識1 古来より薬だった葡萄(ブドウ)
日本の葡萄や葡萄酒は、仏教と共に大陸から伝来したと言われています。
そして、この葡萄は、古来より薬としても用いられてきた立派は民間薬です。医薬を司る薬師如来の台座に、葡萄の房を葡萄の葉で包み込んだ葡萄唐草が描かれていることからも葡萄が貴重な薬であったことがもうかがえます。そのため、薬師如来は、別名「葡萄如来」とも呼ばれています。
また、仏教と共に伝来した葡萄が法薬、秘薬として貴重なものであったのは、実際、その薬効が病気治療に利用されたからです。さまざまな古書や歴史書には、そのような事実が多く記載されています。
一方、葡萄の健康成分は、実際、ヨーロッパでも血管治療薬(医薬品)としても使用されています。
ヨーロッパでは1950年代から、ブドウの健康成分の1つ「プロアントシアニジン」に血管防御作用があるとされ研究が進められてきました。
そして、最近になって、動物性脂肪や乳脂肪をたくさん摂っているにもかかわらず、フランス人の動脈硬化や心臓疾患、ガンなどの死亡率、また老人性痴呆症の発生率が砥いのは、飲用しているワインに含まれるポリフェノールのプロアントシアニジンの抗酸化作用が原因であると解明されたのです。
これは「フレンチパラドックス」と呼ばれる現象であり、多くの研究者が注目しました。
そして、このような流れを受けて、現在ではプロアントシアニジンを主成分とする「ブドウ種子ポリフェノール」は血管治療薬(医薬品)として使用されております。
まさに葡萄は、「百薬の長」と言えるのではないでしょうか・・・。
そして、この葡萄は、古来より薬としても用いられてきた立派は民間薬です。医薬を司る薬師如来の台座に、葡萄の房を葡萄の葉で包み込んだ葡萄唐草が描かれていることからも葡萄が貴重な薬であったことがもうかがえます。そのため、薬師如来は、別名「葡萄如来」とも呼ばれています。
また、仏教と共に伝来した葡萄が法薬、秘薬として貴重なものであったのは、実際、その薬効が病気治療に利用されたからです。さまざまな古書や歴史書には、そのような事実が多く記載されています。
一方、葡萄の健康成分は、実際、ヨーロッパでも血管治療薬(医薬品)としても使用されています。
ヨーロッパでは1950年代から、ブドウの健康成分の1つ「プロアントシアニジン」に血管防御作用があるとされ研究が進められてきました。
そして、最近になって、動物性脂肪や乳脂肪をたくさん摂っているにもかかわらず、フランス人の動脈硬化や心臓疾患、ガンなどの死亡率、また老人性痴呆症の発生率が砥いのは、飲用しているワインに含まれるポリフェノールのプロアントシアニジンの抗酸化作用が原因であると解明されたのです。
これは「フレンチパラドックス」と呼ばれる現象であり、多くの研究者が注目しました。
そして、このような流れを受けて、現在ではプロアントシアニジンを主成分とする「ブドウ種子ポリフェノール」は血管治療薬(医薬品)として使用されております。
まさに葡萄は、「百薬の長」と言えるのではないでしょうか・・・。
レスベラトロールの眼病予防効果
今月の21日、旭川医大の研究グループが、赤ワインポリフェノールとして知られている「レスベラトロール」について、眼病予防効果があることを突き止めました。
読売新聞では、以下のように報道しました。
◆ポリフェノールが目の血管を拡張◆(2007年4月21日 読売新聞)
赤ワインなどに含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロールに、目の血管を拡張させる機能があることを、旭川医大などの研究チームが突き止め、大阪市で開催中の日本眼科学会で20日発表した。
成人の失明原因でトップを占める糖尿病網膜症をはじめ、血流障害による病気の予防効果が期待される。
研究チームは、がんの抑制効果が報告されているレスベラトロールに着目。人が赤ワイン3〜4杯を飲んだ場合の血中濃度に相当するレスベラトロール溶液を作り、ブタの網膜血管を5分間浸して血管の直径を測定したところ、通常の状態から約1・6倍にまで拡張した。同様の効果は、血中のコレステロールを低下させる「スタチン」にもあるが、スタチンが血管内皮に作用するのに対し、レスベラトロールは、血管内皮とその外側にある平滑筋(へいかつきん)の両方に作用し血管を広げていた。
研究チームの長岡泰司・同大講師(眼生理学)は「人間で同様の効果が得られるかどうか確かめ、目の病気を予防する薬の開発につなげたい」と話している。
参照:http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070421ik01.htm
-----------------------
ちなみに、赤ワインやブドウのプロアントシアニジンも目の疲れ予防に良いと報告されています。
さらに、赤ワイン(ブドウ)のポリフェノールが目にも良いことがわかり、この成分は、ますます魅力的なリましたね。
読売新聞では、以下のように報道しました。
◆ポリフェノールが目の血管を拡張◆(2007年4月21日 読売新聞)
赤ワインなどに含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロールに、目の血管を拡張させる機能があることを、旭川医大などの研究チームが突き止め、大阪市で開催中の日本眼科学会で20日発表した。
成人の失明原因でトップを占める糖尿病網膜症をはじめ、血流障害による病気の予防効果が期待される。
研究チームは、がんの抑制効果が報告されているレスベラトロールに着目。人が赤ワイン3〜4杯を飲んだ場合の血中濃度に相当するレスベラトロール溶液を作り、ブタの網膜血管を5分間浸して血管の直径を測定したところ、通常の状態から約1・6倍にまで拡張した。同様の効果は、血中のコレステロールを低下させる「スタチン」にもあるが、スタチンが血管内皮に作用するのに対し、レスベラトロールは、血管内皮とその外側にある平滑筋(へいかつきん)の両方に作用し血管を広げていた。
研究チームの長岡泰司・同大講師(眼生理学)は「人間で同様の効果が得られるかどうか確かめ、目の病気を予防する薬の開発につなげたい」と話している。
参照:http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070421ik01.htm
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ちなみに、赤ワインやブドウのプロアントシアニジンも目の疲れ予防に良いと報告されています。
さらに、赤ワイン(ブドウ)のポリフェノールが目にも良いことがわかり、この成分は、ますます魅力的なリましたね。
長生きポリフェノール「レスベラトロール」2
近年、長寿・長生きについて、様々な研究が行われています。
その研究の中でも、寿命を決めると考えられているテロメアDNAに注目が集まっています。
テロメアとは、染色体末端部位のことで、その部分にある特殊なDNA配列があります。このテロメアDNAは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき、それに伴って細胞分裂の間隔も長くなっていきます。そして、最後に、それ以上テロメアDNAが短く出来なくなると細胞分裂が止まります。細胞分裂が行われなくなると老化が始まり、やがて細胞は死んでしまいます。そのため、テロメアDNAをいつまでも長くしておけば、細胞は死なないで分裂を続け、長生きできるはずと考えられています。
染色体末端にあるテロメアDNAは、ヒストンと呼ばれるたんぱく質に囲まれています。このヒストンがアセチル化されるとテロメアDNAは表面に露出するので、酵素の働きによって短くなってしまいます。ところが、sir2と呼ばれる酵素は、このアセチル化を防ぎ、テロメアDNAを露出しにくい構造にするため、テロメアDNAが短くなるのを防ぎ、寿命をのばすことができすのです。
米ハーバード大学医学部の研究チームは、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、このsir2酵素に作用し寿命を伸ばす働きがあることを突きとめました。レスベラトロールを酵母に作用させたところsir2酵素が活性化され、酵母の寿命が70%伸びたと報告しています。従って、レスベラトロールは、sir2酵素を通して寿命に関係する酵素や遺伝子に関与して寿命を伸ばす働きがあると考えられます。
レスベラトロール→sir2酵素の活性化→テロメアDNAが短くなるのを防止→長寿・長生き
Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196.
フルの原文(PDF版)はここ
また、レスベラトロールには及びませんが、現在、他のポリフェノール成分にも寿命延長効果が認められています。
こうしたポリフェノールは、ブドウを始めとした、果物や野菜に多く含まれています。日常から、このようなポリフェノールを摂取しつづけたいものです。
そのためには、野菜や果物を積極的に摂取するのが重要なのですね。
一方、やはり、赤ワインからこのような健康成分を摂取するには、アルコールの害もありますので、限界があります。
こういったとき、赤ワインのポリフェノール成分を手軽に摂取できるサプリなどがあったら、便利ですね。
その研究の中でも、寿命を決めると考えられているテロメアDNAに注目が集まっています。
テロメアとは、染色体末端部位のことで、その部分にある特殊なDNA配列があります。このテロメアDNAは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき、それに伴って細胞分裂の間隔も長くなっていきます。そして、最後に、それ以上テロメアDNAが短く出来なくなると細胞分裂が止まります。細胞分裂が行われなくなると老化が始まり、やがて細胞は死んでしまいます。そのため、テロメアDNAをいつまでも長くしておけば、細胞は死なないで分裂を続け、長生きできるはずと考えられています。
染色体末端にあるテロメアDNAは、ヒストンと呼ばれるたんぱく質に囲まれています。このヒストンがアセチル化されるとテロメアDNAは表面に露出するので、酵素の働きによって短くなってしまいます。ところが、sir2と呼ばれる酵素は、このアセチル化を防ぎ、テロメアDNAを露出しにくい構造にするため、テロメアDNAが短くなるのを防ぎ、寿命をのばすことができすのです。
米ハーバード大学医学部の研究チームは、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、このsir2酵素に作用し寿命を伸ばす働きがあることを突きとめました。レスベラトロールを酵母に作用させたところsir2酵素が活性化され、酵母の寿命が70%伸びたと報告しています。従って、レスベラトロールは、sir2酵素を通して寿命に関係する酵素や遺伝子に関与して寿命を伸ばす働きがあると考えられます。
レスベラトロール→sir2酵素の活性化→テロメアDNAが短くなるのを防止→長寿・長生き
Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196.
フルの原文(PDF版)はここ
また、レスベラトロールには及びませんが、現在、他のポリフェノール成分にも寿命延長効果が認められています。
こうしたポリフェノールは、ブドウを始めとした、果物や野菜に多く含まれています。日常から、このようなポリフェノールを摂取しつづけたいものです。
そのためには、野菜や果物を積極的に摂取するのが重要なのですね。
一方、やはり、赤ワインからこのような健康成分を摂取するには、アルコールの害もありますので、限界があります。
こういったとき、赤ワインのポリフェノール成分を手軽に摂取できるサプリなどがあったら、便利ですね。
長生きポリフェノール「レスベラトロール」1
赤ワインやブドウ(葡萄)には、多種類のポリフェノールが含まれています。
その中でも、近年、レスベラトロール(リスベラトロール)というブドウに含まれるポリフェノールが長寿ポリフェノールとして非常に注目を浴びています。
米ハーバード大学医学部の研究チーム(Howitzら)は、2003年、科学雑誌ネイチャーで、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、寿命をのばす働きがあることを発表いたしました。
参考:Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196. (2003)
このレスベラトロールは、その摂取によってガン細胞だけを死滅させる働きも確認されています。ガン予防にも最適な健康成分です。
健康のためにも、赤ワインをがぶ飲みしたい気分ですが、赤ワインをがぶ飲みすると、アルコールの害が出てしまいます。
なので、アルコールが飲めない人でもサプリメントなどで、赤ワインのポリフェノールやレスベラトロールを摂取するのをおすすめします。
その中でも、近年、レスベラトロール(リスベラトロール)というブドウに含まれるポリフェノールが長寿ポリフェノールとして非常に注目を浴びています。
米ハーバード大学医学部の研究チーム(Howitzら)は、2003年、科学雑誌ネイチャーで、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、寿命をのばす働きがあることを発表いたしました。
参考:Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196. (2003)
このレスベラトロールは、その摂取によってガン細胞だけを死滅させる働きも確認されています。ガン予防にも最適な健康成分です。
健康のためにも、赤ワインをがぶ飲みしたい気分ですが、赤ワインをがぶ飲みすると、アルコールの害が出てしまいます。
なので、アルコールが飲めない人でもサプリメントなどで、赤ワインのポリフェノールやレスベラトロールを摂取するのをおすすめします。
ポリフェノールとは?レスベラトロールは、どの位置付け?
赤ワインの健康成分と知られる「ポリフェノール(Polyphenol)」とは、どんな成分なのでしょう・・・。
健康に良い成分であることは、わかっていますが、一体どんな成分なのでしょう
ポリフェノールとは、同一分子内に複数のフェノール性水酸基(ベンゼン環,ナフタリン環などの芳香族環に結合した水酸基。ハイドロキシ基)をもつ植物成分の総称を指します。
ほとんどの植物に含有され、その数は5000 種以上に及びます。光合成によってできた植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを持ちます。お茶のカテキン、赤ワインのプロアントシアニジン、ウコンのクルクミンなどが比較的良く知られています。
簡単に言うと、色素、渋みや苦味といった「植物の健康成分」です。
香料や色素として古くから食品、化粧品に使われていましたが、人間にも抗酸化作用(動脈硬化や脳梗塞を防ぐ)、ホルモン促進作用などの効力を与えることが近年明らかになり、様々な種類のポリフェノールが発見・抽出・開発され、医薬品、健康食品として多くの商品に利用されています。
例えば、欧米では、葡萄の種子エキスは、動脈硬化を予防する医薬品などになっています。
そして、代表的なポリフェノールとして、以下のようなものがあります。
フラボノイド(flavonoid)類
カテキン(catechin)・・・茶
アントシアニン(anthocyanin)・・・ブルーベリー、葡萄
フラボン(flavone)
イソフラボン(isoflavone)・・・大豆
フラバン(flavane)
フラバノン(flavanone)
レスベラトロール★
フェノール酸(phenolic acid)類
クロロゲン酸(chlorogenic acid)・・・コーヒー
エラグ酸(ellagic acid)・・・ザクロ
リグナン(lignane)・・・ゴマ
クルクミン(curcumin)・・・ウコン
このポリフェノールの多くは、抗酸化力と様々な効能効果を有します。
そして、レスベラトロールもフラボノイド系ポリフェノールの1つなのです。
健康に良い成分であることは、わかっていますが、一体どんな成分なのでしょう
ポリフェノールとは、同一分子内に複数のフェノール性水酸基(ベンゼン環,ナフタリン環などの芳香族環に結合した水酸基。ハイドロキシ基)をもつ植物成分の総称を指します。
ほとんどの植物に含有され、その数は5000 種以上に及びます。光合成によってできた植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを持ちます。お茶のカテキン、赤ワインのプロアントシアニジン、ウコンのクルクミンなどが比較的良く知られています。
簡単に言うと、色素、渋みや苦味といった「植物の健康成分」です。
香料や色素として古くから食品、化粧品に使われていましたが、人間にも抗酸化作用(動脈硬化や脳梗塞を防ぐ)、ホルモン促進作用などの効力を与えることが近年明らかになり、様々な種類のポリフェノールが発見・抽出・開発され、医薬品、健康食品として多くの商品に利用されています。
例えば、欧米では、葡萄の種子エキスは、動脈硬化を予防する医薬品などになっています。
そして、代表的なポリフェノールとして、以下のようなものがあります。
フラボノイド(flavonoid)類
カテキン(catechin)・・・茶
アントシアニン(anthocyanin)・・・ブルーベリー、葡萄
フラボン(flavone)
イソフラボン(isoflavone)・・・大豆
フラバン(flavane)
フラバノン(flavanone)
レスベラトロール★
フェノール酸(phenolic acid)類
クロロゲン酸(chlorogenic acid)・・・コーヒー
エラグ酸(ellagic acid)・・・ザクロ
リグナン(lignane)・・・ゴマ
クルクミン(curcumin)・・・ウコン
このポリフェノールの多くは、抗酸化力と様々な効能効果を有します。
そして、レスベラトロールもフラボノイド系ポリフェノールの1つなのです。
フレンチパラドックスとレスベラトロール
赤ワインは、「フレンチ・パラドックス」という言葉が有名になり、「赤ワイン=健康」というイメージが定着しました。
でも、このフレンチ・パラドックスってどんなもの?
まず、このフレンチ・パラドックスの意味を調べてみました
欧米諸国で高頻度にみられる冠動脈硬化疾患の死亡率と高脂肪摂取(特に動物脂肪の摂取量)との間には、一般的に正の相関がみられます。
高脂肪の食事ばかりをしていると、動脈硬化などで死にやすくなるということです。
しかし、フランスでは、高脂肪摂取量に比べ、冠動脈硬化疾患の死亡率が低いことを「フレンチ・パラドックス」と言います。
フランスにおける冠動脈硬化疾患の死亡率は10万人当たり男性94人、女性20人と少ないという結果が得られています。この値を死亡率が1位の北アイルランド(男性:406人、女性:142人)と比較すると、男性で約1/4、女性で1/7と、フランスの値が低いことがわかります。
フランスにおける冠動脈硬化疾患の低い死亡率は、フランス人が愛用し、世界一消費している赤ワインをによるものと良く説明されています。
それは、赤ワインには、ポリフェノールを始めとしたさまざまな健康成分が含まれているからです。
そして、近年、このポリフェノールの中でも、特に抗酸化力や生理的な効果が高く、注目を浴びたのがレスベラトロールです。
我々日本人は、常に茶カテキンを摂取していますが、赤ワインほど冠動脈硬化疾患が予防できていません。
おそらく、フレンチパラドックスにはレスベラトロールなどのような優れたポリフェノールが作用しているのでしょうね。
でも、このフレンチ・パラドックスってどんなもの?
まず、このフレンチ・パラドックスの意味を調べてみました
欧米諸国で高頻度にみられる冠動脈硬化疾患の死亡率と高脂肪摂取(特に動物脂肪の摂取量)との間には、一般的に正の相関がみられます。
高脂肪の食事ばかりをしていると、動脈硬化などで死にやすくなるということです。
しかし、フランスでは、高脂肪摂取量に比べ、冠動脈硬化疾患の死亡率が低いことを「フレンチ・パラドックス」と言います。
フランスにおける冠動脈硬化疾患の死亡率は10万人当たり男性94人、女性20人と少ないという結果が得られています。この値を死亡率が1位の北アイルランド(男性:406人、女性:142人)と比較すると、男性で約1/4、女性で1/7と、フランスの値が低いことがわかります。
フランスにおける冠動脈硬化疾患の低い死亡率は、フランス人が愛用し、世界一消費している赤ワインをによるものと良く説明されています。
それは、赤ワインには、ポリフェノールを始めとしたさまざまな健康成分が含まれているからです。
そして、近年、このポリフェノールの中でも、特に抗酸化力や生理的な効果が高く、注目を浴びたのがレスベラトロールです。
我々日本人は、常に茶カテキンを摂取していますが、赤ワインほど冠動脈硬化疾患が予防できていません。
おそらく、フレンチパラドックスにはレスベラトロールなどのような優れたポリフェノールが作用しているのでしょうね。
2008年01月20日
レスベラトロールの抗ガン効果
赤ワインに含まれるレスベラトロールの研究の歴史を調べていくと、レスベラトロールの抗ガン作用は、1997年に科学雑誌サイエンスのJangらの報告によって、注目を浴びるようになりました。
このJangらの報告では、レスベラトロールにガンの発現を抑制する効果があることを報告しています。その報告では、発ガンの初発期(イニシエーション)、促進期(プロモーション)、悪性化(プログレッション)の3段階すべてをレスベラトロールが抑制することを報告しています。マウスの皮膚ガンモデルにレスベラトロール投与した結果では、投与後18週で最高98%のガン細胞減少が認められています。
ちなみに、Jangらの報告におけるその抗ガン作用の有効濃度は0.7〜5.7μg/mlであり、その量は赤ワイン換算で少なくても1日1リットル以上になります。その量を毎日摂取するとアルコールの害がでてしまうため、レスベラトロールは、アルコールを含まない赤ワインエキスや葡萄エキスなどで摂取する方が好ましいと考えられます。
実際、ガンという病気は、誰にでもかかってしまう可能性がある恐ろしい病気です。極わずかですが、誰もがガン細胞を持っているからです。我々が死に至るかは、そのガン細胞の成長(;悪化度合い)次第です。なので、ガンは恐ろしいのです。
ガン細胞を抑制し、ガンを予防できるのであれば、絶対に予防したいものですね。
参考文献:Jang M, Cai L, Udeani GO, Slowing KV, Thomas CF, Beecher CW, Fong HH, Farnsworth NR, Kinghorn AD, Mehta RG, Moon RC, Pezzuto JM. Cancer chemopreventive activity of resveratrol, a natural product derived from grapes. Science. 1997 Jan 10;275(5297):218-20.
このJangらの報告では、レスベラトロールにガンの発現を抑制する効果があることを報告しています。その報告では、発ガンの初発期(イニシエーション)、促進期(プロモーション)、悪性化(プログレッション)の3段階すべてをレスベラトロールが抑制することを報告しています。マウスの皮膚ガンモデルにレスベラトロール投与した結果では、投与後18週で最高98%のガン細胞減少が認められています。
ちなみに、Jangらの報告におけるその抗ガン作用の有効濃度は0.7〜5.7μg/mlであり、その量は赤ワイン換算で少なくても1日1リットル以上になります。その量を毎日摂取するとアルコールの害がでてしまうため、レスベラトロールは、アルコールを含まない赤ワインエキスや葡萄エキスなどで摂取する方が好ましいと考えられます。
実際、ガンという病気は、誰にでもかかってしまう可能性がある恐ろしい病気です。極わずかですが、誰もがガン細胞を持っているからです。我々が死に至るかは、そのガン細胞の成長(;悪化度合い)次第です。なので、ガンは恐ろしいのです。
ガン細胞を抑制し、ガンを予防できるのであれば、絶対に予防したいものですね。
参考文献:Jang M, Cai L, Udeani GO, Slowing KV, Thomas CF, Beecher CW, Fong HH, Farnsworth NR, Kinghorn AD, Mehta RG, Moon RC, Pezzuto JM. Cancer chemopreventive activity of resveratrol, a natural product derived from grapes. Science. 1997 Jan 10;275(5297):218-20.
2008年01月17日
赤ワインに含まれるレスベラトロールの含有量
赤ワインには、レスベラトロールという抗ガン作用や痴呆症予防効果で注目が集っているポリフェノールが含まれています。
この赤ワイン中のポリフェノールの含有量は、南フランス(コート・デュ・ローヌのローヌ地方とボルドー地方)のものが最も多く含むことがわかっています。
一方、この赤ワイン中のレスベラトロールの含有量は、赤ワインの種類(ブドウの種類)、産地、収穫年、農場などのの違いによって様々です。
一般的に、赤ワイン1リットル当たり”0.2〜5.8mg”含まれていると言われ、含有量に約30倍の開きがあるようです。
そして、そのレスベラトロールの有効摂取量は、様々な説はあるが、1日6mgとも言われ、赤ワインで摂取するためには最低1リットル以上飲まなければなりません。
そんなことをしていたら、アルコール中毒になってしまいます!!
カロリー摂取量も高くなるので、酒太りしてしまいます!!
これでは、本末転倒です。
ということは、レスベラトロールを効率的に毎日摂取するためには、赤ワインから抽出されたレスベラトロールを多く含む赤ワインエキスを用いたサプリメントで摂取するのが良いのではないかと考えられます。
レスベラトロールは、赤ワインエキスから摂りましょう!!
この赤ワイン中のポリフェノールの含有量は、南フランス(コート・デュ・ローヌのローヌ地方とボルドー地方)のものが最も多く含むことがわかっています。
一方、この赤ワイン中のレスベラトロールの含有量は、赤ワインの種類(ブドウの種類)、産地、収穫年、農場などのの違いによって様々です。
一般的に、赤ワイン1リットル当たり”0.2〜5.8mg”含まれていると言われ、含有量に約30倍の開きがあるようです。
そして、そのレスベラトロールの有効摂取量は、様々な説はあるが、1日6mgとも言われ、赤ワインで摂取するためには最低1リットル以上飲まなければなりません。
そんなことをしていたら、アルコール中毒になってしまいます!!
カロリー摂取量も高くなるので、酒太りしてしまいます!!
これでは、本末転倒です。
ということは、レスベラトロールを効率的に毎日摂取するためには、赤ワインから抽出されたレスベラトロールを多く含む赤ワインエキスを用いたサプリメントで摂取するのが良いのではないかと考えられます。
レスベラトロールは、赤ワインエキスから摂りましょう!!
2008年01月16日
痴呆症の発症メカニズムの仮説 アミロイド・カスケード
そもそも、アルツハイマーなどの痴呆症の一因は、脳におけるβアミロイド(βアミロイドペプチド)の産生とその異常沈着であると言われています。
これは、いわゆるアミロイド・カスケードと言われるものです。
アミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein,APP)からの
βアミロイド産生
↓
異常凝集(アミロイド線維形成)
↓
神経毒性発現
↓
神経原繊維変化
↓
神経細胞の死
↓
脳萎縮 という経過をたどります。
例えば、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究は、ほとんどがこの仮説を基に行なわれています。
そして、その研究の成果として、赤ワインやレスベラトロールがこのβアミロイドの沈着を抑えたり、分解を促進したりすることがわかりはじめているのです。
これは、いわゆるアミロイド・カスケードと言われるものです。
アミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein,APP)からの
βアミロイド産生
↓
異常凝集(アミロイド線維形成)
↓
神経毒性発現
↓
神経原繊維変化
↓
神経細胞の死
↓
脳萎縮 という経過をたどります。
例えば、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究は、ほとんどがこの仮説を基に行なわれています。
そして、その研究の成果として、赤ワインやレスベラトロールがこのβアミロイドの沈着を抑えたり、分解を促進したりすることがわかりはじめているのです。
2008年01月15日
赤ワインで痴呆症の発症率がなんと1/4に!
赤ワインから発見された長生きポリフェノール「レスベラトロール」には、アルツハイマー病に良いと紹介しましたが、赤ワイン自身にも、痴呆症に良いというデータがあります。
そして、そもそも、レスベラトロールの痴呆症への研究は、赤ワインの摂取が痴呆症のリスクを低減することが統計調査から示されたことから始まっています。
1998年に、Lemeshowらは、ワインの摂取と痴呆症の発症について、3年間にわたる調査を行いました。調査は、赤ワインの名産地の1つ、ボルドー地域で行われました。
その結果、65歳以上で、ワインを250cc以上飲んでいる人が痴呆症になりにくいというデータが示されました。
▼ワインの摂取量と痴呆症の発症率 (Lemeshowらの報告より抜粋)
飲まない・・・・・・・・ 4.9%(48/971人)
250cc未満・・・・・・ 5.1%(47/922)
250cc以上・・・・・・ 1.1%(4 /380 )
なんと、ワインを飲んでいた人のほうが、痴呆症の発症率が1/4になっていたのです!!
そして、この報告を皮切りに、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究が数多くされるようになったのです。そして、どんなメカニズムでレスベラトロールが痴呆症を防ぐかもわかり始めているのです。
引用文献:Lemeshow S, Letenneur L, Dartigues JF, Lafont S, Orgogozo JM, Commenges D. Illustration of analysis taking into account complex survey considerations: the association between wine consumption and dementia in the PAQUID study. Personnes Ages Quid. Am J Epidemiol. 1998 Aug 1;148(3):298-306.
そして、そもそも、レスベラトロールの痴呆症への研究は、赤ワインの摂取が痴呆症のリスクを低減することが統計調査から示されたことから始まっています。
1998年に、Lemeshowらは、ワインの摂取と痴呆症の発症について、3年間にわたる調査を行いました。調査は、赤ワインの名産地の1つ、ボルドー地域で行われました。
その結果、65歳以上で、ワインを250cc以上飲んでいる人が痴呆症になりにくいというデータが示されました。
▼ワインの摂取量と痴呆症の発症率 (Lemeshowらの報告より抜粋)
飲まない・・・・・・・・ 4.9%(48/971人)
250cc未満・・・・・・ 5.1%(47/922)
250cc以上・・・・・・ 1.1%(4 /380 )
なんと、ワインを飲んでいた人のほうが、痴呆症の発症率が1/4になっていたのです!!
そして、この報告を皮切りに、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究が数多くされるようになったのです。そして、どんなメカニズムでレスベラトロールが痴呆症を防ぐかもわかり始めているのです。
引用文献:Lemeshow S, Letenneur L, Dartigues JF, Lafont S, Orgogozo JM, Commenges D. Illustration of analysis taking into account complex survey considerations: the association between wine consumption and dementia in the PAQUID study. Personnes Ages Quid. Am J Epidemiol. 1998 Aug 1;148(3):298-306.