2009年03月02日

長生きポリフェノール「レスベラトロール」2

近年、長寿・長生きについて、様々な研究が行われています。
その研究の中でも、寿命を決めると考えられているテロメアDNAに注目が集まっています。

テロメアとは、染色体末端部位のことで、その部分にある特殊なDNA配列があります。このテロメアDNAは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき、それに伴って細胞分裂の間隔も長くなっていきます。そして、最後に、それ以上テロメアDNAが短く出来なくなると細胞分裂が止まります。細胞分裂が行われなくなると老化が始まり、やがて細胞は死んでしまいます。そのため、テロメアDNAをいつまでも長くしておけば、細胞は死なないで分裂を続け、長生きできるはずと考えられています。

染色体末端にあるテロメアDNAは、ヒストンと呼ばれるたんぱく質に囲まれています。このヒストンがアセチル化されるとテロメアDNAは表面に露出するので、酵素の働きによって短くなってしまいます。ところが、sir2と呼ばれる酵素は、このアセチル化を防ぎ、テロメアDNAを露出しにくい構造にするため、テロメアDNAが短くなるのを防ぎ、寿命をのばすことができすのです。

米ハーバード大学医学部の研究チームは、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、このsir2酵素に作用し寿命を伸ばす働きがあることを突きとめました。レスベラトロールを酵母に作用させたところsir2酵素が活性化され、酵母の寿命が70%伸びたと報告しています。従って、レスベラトロールは、sir2酵素を通して寿命に関係する酵素や遺伝子に関与して寿命を伸ばす働きがあると考えられます。

長生きポリフェノール-レスベラトロール


レスベラトロール→sir2酵素の活性化→テロメアDNAが短くなるのを防止→長寿・長生き

Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196.
フルの原文(PDF版)はここ

また、レスベラトロールには及びませんが、現在、他のポリフェノール成分にも寿命延長効果が認められています。
こうしたポリフェノールは、ブドウを始めとした、果物や野菜に多く含まれています。日常から、このようなポリフェノールを摂取しつづけたいものです。
そのためには、野菜や果物を積極的に摂取するのが重要なのですね。

一方、やはり、赤ワインからこのような健康成分を摂取するには、アルコールの害もありますので、限界があります。
こういったとき、赤ワインのポリフェノール成分を手軽に摂取できるサプリなどがあったら、便利ですね。



resveratrol at 10:18│Comments(0)TrackBack(0) 長生き効果 | サーチュインとは

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