2009年03月02日

レスベラトロールで糖尿病予防

上海の中国科学院の研究チームは、赤ブドウの皮に含まれる化学物質であるレスベラトロールはマウスのインスリン感受性を増大させると、Cell Metabolismで報告いたしました。

その報告では、SIRT1という酵素がレスベラトロールによって活性化され、この酵素は入れ替わりに、通常はインスリン活性を減少させる効果があるPTP1Bという分子の活性を抑制することが示唆されました。SIRT1濃度は、インスリン抵抗性のある動物細胞において減少しました。そして、レスベラトロールを用いたSIRT1 活性の増大は、PTP1B.に作用することによってインスリン感受性を改善しました。

ボストンにあるベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターのYoung-Bum Kim助教授は雑誌Cell Metabolismに掲載されたこの論文の付随論説において、「PTP1Bを抑制するとインスリン活性が改善される」とコメントしています。

この研究では、過去の検査における濃度よりもはるかに低いレスベラトロール濃度でも動物のインスリン感受性が改善されるということが示されました。

上記の動物実験と同等の効果をヒトが得るためには、1日120リットルの赤ワインを飲む必要があると過去の研究結果は示唆していましたが、今回の研究によって赤ワインを1日3リットル飲むと必要量を摂取できることがわかりました。
レスベラトロールを豊富に含む他の自然食品を摂取した方がよいと、この研究の執筆者であるQiwei Zhai氏は述べています。

一方、最近、赤ワインやブドウから抽出されたレスベラトロール高含有素材が作られ始めています。こういったサプリメントで糖尿病を予防するのも良いですね。

出典: SIRT1 improves insulin sensitivity under insulin-resistant conditions by repressing PTP1B. Cell Metabolism 6:307-319, 2007



resveratrol at 14:45│Comments(0)TrackBack(0) 長生き効果 | 赤ワインの効果

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