2008年01月11日

レスベラトロール効果のキーワード「サーチュイン」とは

レスベラトロールの研究で高頻度で出てくる言葉に、「サーチュイン」という言葉があります。
さて、このサーチュインとは、何なんでしょう?

SIRT1だとか、Sir2だとか出てくるので、よくわからなくなってしまいます。
そこで、ちょっと、サーチュインについて、まとめてみました。

サーチュイン/サーチュインファミリーとは、NAD依存性脱アセチル化酵素群であり、体内で非常に重要な役割を担っている酵素群(たんぱく質)です。そのサーチュインファミリーのSIRT1やSir2(酵母ではSir2、哺乳類ではSirt1)は、いわゆる長寿関連遺伝子(longevity related gene)と呼ばれています。

最初に発見されたものは酵母のSir2です。ヒトのサーチュインは7種類(SIRT1〜SIRT7)知られており、ヒトのSIRT1は、酵母のSir2に高い相同性を示します。
すなわち、SIRT1もSir2も、ほぼ同じ位置付けを持つサーチュインだったわけです。要するに、酵母とヒト(ほ乳類)による違いなのですね。

そして、このサーチュインは、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。

例えば、このサーチュインファミリーであるSIRT1やSir2が活性化し、遺伝子保護物質であるヒストン(DNA結合制御たんぱく質)のアセチル化(;分解)を防いでくれます。そして、そのアセチル化防止により、DNAの露出を防ぎ、テロメア短縮を促すテロメアーゼの作用を抑えくれることがわかっています。そして、その作用によって、細胞の寿命を延ばしてくれるのです。

(人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の「テロメア」だと考えられています。)

サーチュインはこのように重要な役割を果たしているため、現在でも、あらゆる角度からこのサーチュインの研究が行われているのです。

そして、赤ワインポリフェノールであるレスベラトロールは、このサーチュインを活性化するという報告が数多くされています。そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールということで非常に注目を浴びているのです。



resveratrol at 08:59│Comments(0)TrackBack(0) サーチュインとは | 用語説明

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