サーチュインとは
2011年11月25日
NHKサイエンスZERO 長寿遺伝子が寿命を延ばす (NHKサイエンスZERO)
NHK出版から、6/12のNHK特集などをまとめた書籍が出ました。
NHKサイエンスZERO 長寿遺伝子が寿命を延ばす (NHKサイエンスZERO)
サルの写真なども紹介されています。
うまくまとまっています。
NHKサイエンスZERO 長寿遺伝子が寿命を延ばす (NHKサイエンスZERO)
サルの写真なども紹介されています。
うまくまとまっています。
2010年06月04日
レスベラトロールが糖尿病を改善!?
今回の研究は寿命ではなく、糖尿病に対するレスベラトロールの効果を検討したもの。
これまでもレスベラトロールの糖尿病防止に対する効果が示唆されているが、今回は糖尿病を発症しているマウスに対しての効果実験。
糖尿病になっているマウスの頭に「レスベラトロール」と「プラセボ」それぞれを注入し、その後高脂肪食を与え続けた。5週間後、「レスベラトロール」を注入したマウスは改善がみられ、「プラセボ」を注入したマウスは悪化が見られた。
※ただし、現状この作用はマウスの脳に注入した場合にのみ認められている。
(この研究は、米国心臓協会(AHA)、米国立衛生研究所(NIH)および米国糖尿病協会(ADA)の支援により実施され、研究結果は医学誌「Endocrinology(内分泌学)」オンライン版に10月9日掲載された)
参考:赤ワインから抽出したレスベラトロールエキス
これまでもレスベラトロールの糖尿病防止に対する効果が示唆されているが、今回は糖尿病を発症しているマウスに対しての効果実験。
糖尿病になっているマウスの頭に「レスベラトロール」と「プラセボ」それぞれを注入し、その後高脂肪食を与え続けた。5週間後、「レスベラトロール」を注入したマウスは改善がみられ、「プラセボ」を注入したマウスは悪化が見られた。
※ただし、現状この作用はマウスの脳に注入した場合にのみ認められている。
(この研究は、米国心臓協会(AHA)、米国立衛生研究所(NIH)および米国糖尿病協会(ADA)の支援により実施され、研究結果は医学誌「Endocrinology(内分泌学)」オンライン版に10月9日掲載された)
参考:赤ワインから抽出したレスベラトロールエキス
2009年03月02日
サーチュイン(Sirtuin)とは
レスベラトロールの研究で高頻度で出てくるサーチュインとは、なんなんでしょう?
SIRT1だとか、Sir2だとか出てくるので、よくわからなくなってしまいます。
そこで、ちょっと、サーチュインについて、まとめてみました。
サーチュイン/サーチュインファミリーとは、NAD依存性脱アセチル化酵素群であり、体内で非常に重要な役割を担っている酵素群(たんぱく質)です。そのサーチュインファミリーのSIRT1やSir2(酵母ではSir2、哺乳類ではSirt1)は、いわゆる長寿関連遺伝子(longevity related gene)と呼ばれています。
最初に発見されたものは酵母のSir2です。ヒトのサーチュインは7種類(SIRT1〜SIRT7)知られており、ヒトのSIRT1は、酵母のSir2に高い相同性を示します。
すなわち、SIRT1もSir2も、ほぼ同じ位置付けを持つサーチュインだったわけです。要するに、酵母とヒト(ほ乳類)による違いなのですね。
そして、このサーチュインは、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。
例えば、このサーチュインファミリーであるSIRT1やSir2が活性化し、遺伝子保護物質であるヒストン(DNA結合制御たんぱく質)のアセチル化(;分解)を防いでくれます。そして、そのアセチル化防止により、DNAの露出を防ぎ、テロメア短縮を促すテロメアーゼの作用を抑えくれることがわかっています。そして、その作用によって、細胞の寿命を延ばしてくれるのです。
(人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の「テロメア」だと考えられています。)
サーチュインはこのように重要な役割を果たしているため、現在でも、あらゆる角度からこのサーチュインの研究が行われているのです。
そして、赤ワインポリフェノールであるレスベラトロールは、このサーチュインを活性化するという報告が数多くされています。そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールということで非常に注目を浴びているのですね。
SIRT1だとか、Sir2だとか出てくるので、よくわからなくなってしまいます。
そこで、ちょっと、サーチュインについて、まとめてみました。
サーチュイン/サーチュインファミリーとは、NAD依存性脱アセチル化酵素群であり、体内で非常に重要な役割を担っている酵素群(たんぱく質)です。そのサーチュインファミリーのSIRT1やSir2(酵母ではSir2、哺乳類ではSirt1)は、いわゆる長寿関連遺伝子(longevity related gene)と呼ばれています。
最初に発見されたものは酵母のSir2です。ヒトのサーチュインは7種類(SIRT1〜SIRT7)知られており、ヒトのSIRT1は、酵母のSir2に高い相同性を示します。
すなわち、SIRT1もSir2も、ほぼ同じ位置付けを持つサーチュインだったわけです。要するに、酵母とヒト(ほ乳類)による違いなのですね。
そして、このサーチュインは、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。
例えば、このサーチュインファミリーであるSIRT1やSir2が活性化し、遺伝子保護物質であるヒストン(DNA結合制御たんぱく質)のアセチル化(;分解)を防いでくれます。そして、そのアセチル化防止により、DNAの露出を防ぎ、テロメア短縮を促すテロメアーゼの作用を抑えくれることがわかっています。そして、その作用によって、細胞の寿命を延ばしてくれるのです。
(人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の「テロメア」だと考えられています。)
サーチュインはこのように重要な役割を果たしているため、現在でも、あらゆる角度からこのサーチュインの研究が行われているのです。
そして、赤ワインポリフェノールであるレスベラトロールは、このサーチュインを活性化するという報告が数多くされています。そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールということで非常に注目を浴びているのですね。
細胞の寿命を決定するテロメアとサーチュイン(長寿遺伝子)
レスベラトロールの研究の中で、よく『テロメア』『サーチュイン』『Sir2(サーツー)』という用語が出てきます。
これらは、いったどのようなものなのでしょう?
人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の『テロメアtelomere』だと考えられています。
細胞分裂毎にテロメアは短くなり、テロメアが無くなると細胞の寿命が尽きます。
通常、50〜60回の細胞分裂で寿命が尽きますが、テロメアを短縮させる酵素であるテロメラーゼTelomerase の働きを抑えることで、寿命を延ばすことができると言われています。1999年頃より、このテロメアの長さを保つ研究が数多く行われており、実験では短縮を30%以上抑えることに成功しています。
そして、これらの研究の中で、『サーチュインsirtuin/サーチュインファミリー』と呼ばれる酵素群(たんぱく質)が非常に注目を浴びています。
この酵素は、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。
サーチュインファミリーであり、脱アセチル化酵素の1つである『Sir2(サーツー)』は、飢餓させる(カロリー補給が無い)と活性化することが知られています(低カロリーダイエットの理論)。
また、Sir2がこのシグナル伝達経路に何らかの形で作用することで、老化を遅らせていると考えられています。
用語 Sir;silent information regulator
Sir2は、ほとんどの生物細胞に含まれるNAD+依存性タンパク質脱アセチル化酵素ですが、ジョン・ホプキンス大学のジェフ・ボーク等の共同研究によって、Sir2が飢餓により活性化し生物細胞のライフスパン(;寿命)が延長するメカニズムが解析されています。(Science. 2002.12.20)。
この研究により、長寿のためにはある程度の摂取カロリー制限が必要であり、現在の飽食の世の中で一般的になりつつある高カロリーな食生活は、寿命を縮めることが示唆されました。
V. J. Starai, I. Celic, R. N. Cole, J. D. Boeke, and J. C. Escalante-Semerena, Sir2-Dependent Activation of Acetyl-CoA Synthetase by Deacetylation of Active Lysine, Science 298 (5602): 2390-2392.
そして、最近の研究報告では、赤ワインに含まれるレスベラトロールがSir2を活性化し、体が飢餓状態と同じ状況を作る効果が導き出され始めているのです。
そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールとして、大変注目を浴びているのです。
これらは、いったどのようなものなのでしょう?
人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の『テロメアtelomere』だと考えられています。
細胞分裂毎にテロメアは短くなり、テロメアが無くなると細胞の寿命が尽きます。
通常、50〜60回の細胞分裂で寿命が尽きますが、テロメアを短縮させる酵素であるテロメラーゼTelomerase の働きを抑えることで、寿命を延ばすことができると言われています。1999年頃より、このテロメアの長さを保つ研究が数多く行われており、実験では短縮を30%以上抑えることに成功しています。
そして、これらの研究の中で、『サーチュインsirtuin/サーチュインファミリー』と呼ばれる酵素群(たんぱく質)が非常に注目を浴びています。
この酵素は、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。
サーチュインファミリーであり、脱アセチル化酵素の1つである『Sir2(サーツー)』は、飢餓させる(カロリー補給が無い)と活性化することが知られています(低カロリーダイエットの理論)。
また、Sir2がこのシグナル伝達経路に何らかの形で作用することで、老化を遅らせていると考えられています。
用語 Sir;silent information regulator
Sir2は、ほとんどの生物細胞に含まれるNAD+依存性タンパク質脱アセチル化酵素ですが、ジョン・ホプキンス大学のジェフ・ボーク等の共同研究によって、Sir2が飢餓により活性化し生物細胞のライフスパン(;寿命)が延長するメカニズムが解析されています。(Science. 2002.12.20)。
この研究により、長寿のためにはある程度の摂取カロリー制限が必要であり、現在の飽食の世の中で一般的になりつつある高カロリーな食生活は、寿命を縮めることが示唆されました。
V. J. Starai, I. Celic, R. N. Cole, J. D. Boeke, and J. C. Escalante-Semerena, Sir2-Dependent Activation of Acetyl-CoA Synthetase by Deacetylation of Active Lysine, Science 298 (5602): 2390-2392.
そして、最近の研究報告では、赤ワインに含まれるレスベラトロールがSir2を活性化し、体が飢餓状態と同じ状況を作る効果が導き出され始めているのです。
そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールとして、大変注目を浴びているのです。
長生きポリフェノール レスベラトロールの長生き効果 Natureでの報告
以前にもレスベラトロールの長生き効果とそのメカニズムについてご紹介いたしましたが、
今回は、その続報で、マウス(ネズミ)で長生き効果が認められたという報告です。
(以前の報告は酵母での実験でした。)
--------------------------
レスベラトロールは、高カロリー餌摂取マウスの健康を増進させ、寿命を延長させる
Baur JA et al., Resveratrol improves health and survival of mice on a high-calorie diet. Nature. 444(7117):337-42. (2006)
多施設の研究チームは、中年のマウスを標準食(standard diet:SD)群、高カロリー高脂肪食(high-calorie, high-fat diet:HC)群または高カロリー高脂肪食+レスベラトロール(high-calorie, high-fat diet plus resveratrol:HCR)群に割り付けた。
SD群と比較して、HC群では体重が着実に増加した。さらに、HC群ではインスリン感受性の低下、運動機能の低下、肝肥大と脂肪肝、心筋の脂肪化と炎症、肝細胞のミトコンドリアの減少が認められ、また有意に若い年齢で死亡した。これとは好対照に、HCR群でも体重は増加したが、これらの生化学的あるいは病理学的変化はいずれも認められなかった。さらに、これらはSD群のマウスと同様に活発で、長く生存した。レスベラトロールは、HC食によって生じた153の遺伝子発現の変化のうち144を予防した。
--------------------------
そして、Highlightsでは・・・
---------------------
Highlights:ケーキを食べても大丈夫
「もうケーキをあきらめなくてもいい!」、「太って飲み放題でも健康でいられる!」、「若さの泉」といった見出しは、本誌オンライン版の論文「レスベラトロールは高カロリー餌摂取マウスの健康を増進させ、寿命を延長させる」の発表に際してのものだ。この論文は、高カロリー食を与えられているマウスに、赤ワインに含まれるレスベラトロールを経口投与すると、低カロリーの食餌を与えられているときの生理的影響の多くを再現でき、健康と寿命に改善がみられることを明らかにしている。投与量は、ヒトの場合に換算して摂取可能な量(ただし赤ワインでの摂取では1日何百本も飲むことになり、副作用が出てしまうので不可)である。今週はこの論文をじっくりと読みましょう!
---------------------
と紹介されました。
Highlightsの内容は、ちょっと過激ですね。
飽食の世の中、高カロリーの食生活は、成人病を招くばかりでなく、寿命も縮めるといわれていましたが、このレスベラトロールによって寿命が改善される可能性が出てきました。
長生きしたいけど、ちょっと太り気味のみなさん、光が見えてきましたね・・・。
今回は、その続報で、マウス(ネズミ)で長生き効果が認められたという報告です。
(以前の報告は酵母での実験でした。)
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レスベラトロールは、高カロリー餌摂取マウスの健康を増進させ、寿命を延長させる
Baur JA et al., Resveratrol improves health and survival of mice on a high-calorie diet. Nature. 444(7117):337-42. (2006)
多施設の研究チームは、中年のマウスを標準食(standard diet:SD)群、高カロリー高脂肪食(high-calorie, high-fat diet:HC)群または高カロリー高脂肪食+レスベラトロール(high-calorie, high-fat diet plus resveratrol:HCR)群に割り付けた。
SD群と比較して、HC群では体重が着実に増加した。さらに、HC群ではインスリン感受性の低下、運動機能の低下、肝肥大と脂肪肝、心筋の脂肪化と炎症、肝細胞のミトコンドリアの減少が認められ、また有意に若い年齢で死亡した。これとは好対照に、HCR群でも体重は増加したが、これらの生化学的あるいは病理学的変化はいずれも認められなかった。さらに、これらはSD群のマウスと同様に活発で、長く生存した。レスベラトロールは、HC食によって生じた153の遺伝子発現の変化のうち144を予防した。
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そして、Highlightsでは・・・
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Highlights:ケーキを食べても大丈夫
「もうケーキをあきらめなくてもいい!」、「太って飲み放題でも健康でいられる!」、「若さの泉」といった見出しは、本誌オンライン版の論文「レスベラトロールは高カロリー餌摂取マウスの健康を増進させ、寿命を延長させる」の発表に際してのものだ。この論文は、高カロリー食を与えられているマウスに、赤ワインに含まれるレスベラトロールを経口投与すると、低カロリーの食餌を与えられているときの生理的影響の多くを再現でき、健康と寿命に改善がみられることを明らかにしている。投与量は、ヒトの場合に換算して摂取可能な量(ただし赤ワインでの摂取では1日何百本も飲むことになり、副作用が出てしまうので不可)である。今週はこの論文をじっくりと読みましょう!
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と紹介されました。
Highlightsの内容は、ちょっと過激ですね。
飽食の世の中、高カロリーの食生活は、成人病を招くばかりでなく、寿命も縮めるといわれていましたが、このレスベラトロールによって寿命が改善される可能性が出てきました。
長生きしたいけど、ちょっと太り気味のみなさん、光が見えてきましたね・・・。
長生きポリフェノール「レスベラトロール」2
近年、長寿・長生きについて、様々な研究が行われています。
その研究の中でも、寿命を決めると考えられているテロメアDNAに注目が集まっています。
テロメアとは、染色体末端部位のことで、その部分にある特殊なDNA配列があります。このテロメアDNAは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき、それに伴って細胞分裂の間隔も長くなっていきます。そして、最後に、それ以上テロメアDNAが短く出来なくなると細胞分裂が止まります。細胞分裂が行われなくなると老化が始まり、やがて細胞は死んでしまいます。そのため、テロメアDNAをいつまでも長くしておけば、細胞は死なないで分裂を続け、長生きできるはずと考えられています。
染色体末端にあるテロメアDNAは、ヒストンと呼ばれるたんぱく質に囲まれています。このヒストンがアセチル化されるとテロメアDNAは表面に露出するので、酵素の働きによって短くなってしまいます。ところが、sir2と呼ばれる酵素は、このアセチル化を防ぎ、テロメアDNAを露出しにくい構造にするため、テロメアDNAが短くなるのを防ぎ、寿命をのばすことができすのです。
米ハーバード大学医学部の研究チームは、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、このsir2酵素に作用し寿命を伸ばす働きがあることを突きとめました。レスベラトロールを酵母に作用させたところsir2酵素が活性化され、酵母の寿命が70%伸びたと報告しています。従って、レスベラトロールは、sir2酵素を通して寿命に関係する酵素や遺伝子に関与して寿命を伸ばす働きがあると考えられます。
レスベラトロール→sir2酵素の活性化→テロメアDNAが短くなるのを防止→長寿・長生き
Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196.
フルの原文(PDF版)はここ
また、レスベラトロールには及びませんが、現在、他のポリフェノール成分にも寿命延長効果が認められています。
こうしたポリフェノールは、ブドウを始めとした、果物や野菜に多く含まれています。日常から、このようなポリフェノールを摂取しつづけたいものです。
そのためには、野菜や果物を積極的に摂取するのが重要なのですね。
一方、やはり、赤ワインからこのような健康成分を摂取するには、アルコールの害もありますので、限界があります。
こういったとき、赤ワインのポリフェノール成分を手軽に摂取できるサプリなどがあったら、便利ですね。
その研究の中でも、寿命を決めると考えられているテロメアDNAに注目が集まっています。
テロメアとは、染色体末端部位のことで、その部分にある特殊なDNA配列があります。このテロメアDNAは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき、それに伴って細胞分裂の間隔も長くなっていきます。そして、最後に、それ以上テロメアDNAが短く出来なくなると細胞分裂が止まります。細胞分裂が行われなくなると老化が始まり、やがて細胞は死んでしまいます。そのため、テロメアDNAをいつまでも長くしておけば、細胞は死なないで分裂を続け、長生きできるはずと考えられています。
染色体末端にあるテロメアDNAは、ヒストンと呼ばれるたんぱく質に囲まれています。このヒストンがアセチル化されるとテロメアDNAは表面に露出するので、酵素の働きによって短くなってしまいます。ところが、sir2と呼ばれる酵素は、このアセチル化を防ぎ、テロメアDNAを露出しにくい構造にするため、テロメアDNAが短くなるのを防ぎ、寿命をのばすことができすのです。
米ハーバード大学医学部の研究チームは、ブドウに含まれているポリフェノール成分の一つであるレスベラトロールが、このsir2酵素に作用し寿命を伸ばす働きがあることを突きとめました。レスベラトロールを酵母に作用させたところsir2酵素が活性化され、酵母の寿命が70%伸びたと報告しています。従って、レスベラトロールは、sir2酵素を通して寿命に関係する酵素や遺伝子に関与して寿命を伸ばす働きがあると考えられます。
レスベラトロール→sir2酵素の活性化→テロメアDNAが短くなるのを防止→長寿・長生き
Howitz KT, et al., Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 425: 191-196.
フルの原文(PDF版)はここ
また、レスベラトロールには及びませんが、現在、他のポリフェノール成分にも寿命延長効果が認められています。
こうしたポリフェノールは、ブドウを始めとした、果物や野菜に多く含まれています。日常から、このようなポリフェノールを摂取しつづけたいものです。
そのためには、野菜や果物を積極的に摂取するのが重要なのですね。
一方、やはり、赤ワインからこのような健康成分を摂取するには、アルコールの害もありますので、限界があります。
こういったとき、赤ワインのポリフェノール成分を手軽に摂取できるサプリなどがあったら、便利ですね。
2008年01月11日
レスベラトロール効果のキーワード「サーチュイン」とは
レスベラトロールの研究で高頻度で出てくる言葉に、「サーチュイン」という言葉があります。
さて、このサーチュインとは、何なんでしょう?
SIRT1だとか、Sir2だとか出てくるので、よくわからなくなってしまいます。
そこで、ちょっと、サーチュインについて、まとめてみました。
サーチュイン/サーチュインファミリーとは、NAD依存性脱アセチル化酵素群であり、体内で非常に重要な役割を担っている酵素群(たんぱく質)です。そのサーチュインファミリーのSIRT1やSir2(酵母ではSir2、哺乳類ではSirt1)は、いわゆる長寿関連遺伝子(longevity related gene)と呼ばれています。
最初に発見されたものは酵母のSir2です。ヒトのサーチュインは7種類(SIRT1〜SIRT7)知られており、ヒトのSIRT1は、酵母のSir2に高い相同性を示します。
すなわち、SIRT1もSir2も、ほぼ同じ位置付けを持つサーチュインだったわけです。要するに、酵母とヒト(ほ乳類)による違いなのですね。
そして、このサーチュインは、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。
例えば、このサーチュインファミリーであるSIRT1やSir2が活性化し、遺伝子保護物質であるヒストン(DNA結合制御たんぱく質)のアセチル化(;分解)を防いでくれます。そして、そのアセチル化防止により、DNAの露出を防ぎ、テロメア短縮を促すテロメアーゼの作用を抑えくれることがわかっています。そして、その作用によって、細胞の寿命を延ばしてくれるのです。
(人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の「テロメア」だと考えられています。)
サーチュインはこのように重要な役割を果たしているため、現在でも、あらゆる角度からこのサーチュインの研究が行われているのです。
そして、赤ワインポリフェノールであるレスベラトロールは、このサーチュインを活性化するという報告が数多くされています。そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールということで非常に注目を浴びているのです。
さて、このサーチュインとは、何なんでしょう?
SIRT1だとか、Sir2だとか出てくるので、よくわからなくなってしまいます。
そこで、ちょっと、サーチュインについて、まとめてみました。
サーチュイン/サーチュインファミリーとは、NAD依存性脱アセチル化酵素群であり、体内で非常に重要な役割を担っている酵素群(たんぱく質)です。そのサーチュインファミリーのSIRT1やSir2(酵母ではSir2、哺乳類ではSirt1)は、いわゆる長寿関連遺伝子(longevity related gene)と呼ばれています。
最初に発見されたものは酵母のSir2です。ヒトのサーチュインは7種類(SIRT1〜SIRT7)知られており、ヒトのSIRT1は、酵母のSir2に高い相同性を示します。
すなわち、SIRT1もSir2も、ほぼ同じ位置付けを持つサーチュインだったわけです。要するに、酵母とヒト(ほ乳類)による違いなのですね。
そして、このサーチュインは、食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され、細胞修復、エネルギー生産、アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与えることがわかっています。サーチュインは、生体機能の調節役として働いていると考えられています。
例えば、このサーチュインファミリーであるSIRT1やSir2が活性化し、遺伝子保護物質であるヒストン(DNA結合制御たんぱく質)のアセチル化(;分解)を防いでくれます。そして、そのアセチル化防止により、DNAの露出を防ぎ、テロメア短縮を促すテロメアーゼの作用を抑えくれることがわかっています。そして、その作用によって、細胞の寿命を延ばしてくれるのです。
(人体は60億個もの細胞で形成されて、毎日新陳代謝を繰り返していますが、細胞の寿命を決定するのは、染色体に繋がる紐状の「テロメア」だと考えられています。)
サーチュインはこのように重要な役割を果たしているため、現在でも、あらゆる角度からこのサーチュインの研究が行われているのです。
そして、赤ワインポリフェノールであるレスベラトロールは、このサーチュインを活性化するという報告が数多くされています。そのため、レスベラトロールは、長生きポリフェノールということで非常に注目を浴びているのです。