アルツハイマー
2008年01月20日
レスベラトロールの抗ガン効果
赤ワインに含まれるレスベラトロールの研究の歴史を調べていくと、レスベラトロールの抗ガン作用は、1997年に科学雑誌サイエンスのJangらの報告によって、注目を浴びるようになりました。
このJangらの報告では、レスベラトロールにガンの発現を抑制する効果があることを報告しています。その報告では、発ガンの初発期(イニシエーション)、促進期(プロモーション)、悪性化(プログレッション)の3段階すべてをレスベラトロールが抑制することを報告しています。マウスの皮膚ガンモデルにレスベラトロール投与した結果では、投与後18週で最高98%のガン細胞減少が認められています。
ちなみに、Jangらの報告におけるその抗ガン作用の有効濃度は0.7〜5.7μg/mlであり、その量は赤ワイン換算で少なくても1日1リットル以上になります。その量を毎日摂取するとアルコールの害がでてしまうため、レスベラトロールは、アルコールを含まない赤ワインエキスや葡萄エキスなどで摂取する方が好ましいと考えられます。
実際、ガンという病気は、誰にでもかかってしまう可能性がある恐ろしい病気です。極わずかですが、誰もがガン細胞を持っているからです。我々が死に至るかは、そのガン細胞の成長(;悪化度合い)次第です。なので、ガンは恐ろしいのです。
ガン細胞を抑制し、ガンを予防できるのであれば、絶対に予防したいものですね。
参考文献:Jang M, Cai L, Udeani GO, Slowing KV, Thomas CF, Beecher CW, Fong HH, Farnsworth NR, Kinghorn AD, Mehta RG, Moon RC, Pezzuto JM. Cancer chemopreventive activity of resveratrol, a natural product derived from grapes. Science. 1997 Jan 10;275(5297):218-20.
このJangらの報告では、レスベラトロールにガンの発現を抑制する効果があることを報告しています。その報告では、発ガンの初発期(イニシエーション)、促進期(プロモーション)、悪性化(プログレッション)の3段階すべてをレスベラトロールが抑制することを報告しています。マウスの皮膚ガンモデルにレスベラトロール投与した結果では、投与後18週で最高98%のガン細胞減少が認められています。
ちなみに、Jangらの報告におけるその抗ガン作用の有効濃度は0.7〜5.7μg/mlであり、その量は赤ワイン換算で少なくても1日1リットル以上になります。その量を毎日摂取するとアルコールの害がでてしまうため、レスベラトロールは、アルコールを含まない赤ワインエキスや葡萄エキスなどで摂取する方が好ましいと考えられます。
実際、ガンという病気は、誰にでもかかってしまう可能性がある恐ろしい病気です。極わずかですが、誰もがガン細胞を持っているからです。我々が死に至るかは、そのガン細胞の成長(;悪化度合い)次第です。なので、ガンは恐ろしいのです。
ガン細胞を抑制し、ガンを予防できるのであれば、絶対に予防したいものですね。
参考文献:Jang M, Cai L, Udeani GO, Slowing KV, Thomas CF, Beecher CW, Fong HH, Farnsworth NR, Kinghorn AD, Mehta RG, Moon RC, Pezzuto JM. Cancer chemopreventive activity of resveratrol, a natural product derived from grapes. Science. 1997 Jan 10;275(5297):218-20.
2008年01月17日
赤ワインに含まれるレスベラトロールの含有量
赤ワインには、レスベラトロールという抗ガン作用や痴呆症予防効果で注目が集っているポリフェノールが含まれています。
この赤ワイン中のポリフェノールの含有量は、南フランス(コート・デュ・ローヌのローヌ地方とボルドー地方)のものが最も多く含むことがわかっています。
一方、この赤ワイン中のレスベラトロールの含有量は、赤ワインの種類(ブドウの種類)、産地、収穫年、農場などのの違いによって様々です。
一般的に、赤ワイン1リットル当たり”0.2〜5.8mg”含まれていると言われ、含有量に約30倍の開きがあるようです。
そして、そのレスベラトロールの有効摂取量は、様々な説はあるが、1日6mgとも言われ、赤ワインで摂取するためには最低1リットル以上飲まなければなりません。
そんなことをしていたら、アルコール中毒になってしまいます!!
カロリー摂取量も高くなるので、酒太りしてしまいます!!
これでは、本末転倒です。
ということは、レスベラトロールを効率的に毎日摂取するためには、赤ワインから抽出されたレスベラトロールを多く含む赤ワインエキスを用いたサプリメントで摂取するのが良いのではないかと考えられます。
レスベラトロールは、赤ワインエキスから摂りましょう!!
この赤ワイン中のポリフェノールの含有量は、南フランス(コート・デュ・ローヌのローヌ地方とボルドー地方)のものが最も多く含むことがわかっています。
一方、この赤ワイン中のレスベラトロールの含有量は、赤ワインの種類(ブドウの種類)、産地、収穫年、農場などのの違いによって様々です。
一般的に、赤ワイン1リットル当たり”0.2〜5.8mg”含まれていると言われ、含有量に約30倍の開きがあるようです。
そして、そのレスベラトロールの有効摂取量は、様々な説はあるが、1日6mgとも言われ、赤ワインで摂取するためには最低1リットル以上飲まなければなりません。
そんなことをしていたら、アルコール中毒になってしまいます!!
カロリー摂取量も高くなるので、酒太りしてしまいます!!
これでは、本末転倒です。
ということは、レスベラトロールを効率的に毎日摂取するためには、赤ワインから抽出されたレスベラトロールを多く含む赤ワインエキスを用いたサプリメントで摂取するのが良いのではないかと考えられます。
レスベラトロールは、赤ワインエキスから摂りましょう!!
2008年01月16日
痴呆症の発症メカニズムの仮説 アミロイド・カスケード
そもそも、アルツハイマーなどの痴呆症の一因は、脳におけるβアミロイド(βアミロイドペプチド)の産生とその異常沈着であると言われています。
これは、いわゆるアミロイド・カスケードと言われるものです。
アミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein,APP)からの
βアミロイド産生
↓
異常凝集(アミロイド線維形成)
↓
神経毒性発現
↓
神経原繊維変化
↓
神経細胞の死
↓
脳萎縮 という経過をたどります。
例えば、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究は、ほとんどがこの仮説を基に行なわれています。
そして、その研究の成果として、赤ワインやレスベラトロールがこのβアミロイドの沈着を抑えたり、分解を促進したりすることがわかりはじめているのです。
これは、いわゆるアミロイド・カスケードと言われるものです。
アミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein,APP)からの
βアミロイド産生
↓
異常凝集(アミロイド線維形成)
↓
神経毒性発現
↓
神経原繊維変化
↓
神経細胞の死
↓
脳萎縮 という経過をたどります。
例えば、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究は、ほとんどがこの仮説を基に行なわれています。
そして、その研究の成果として、赤ワインやレスベラトロールがこのβアミロイドの沈着を抑えたり、分解を促進したりすることがわかりはじめているのです。
2008年01月15日
赤ワインで痴呆症の発症率がなんと1/4に!
赤ワインから発見された長生きポリフェノール「レスベラトロール」には、アルツハイマー病に良いと紹介しましたが、赤ワイン自身にも、痴呆症に良いというデータがあります。
そして、そもそも、レスベラトロールの痴呆症への研究は、赤ワインの摂取が痴呆症のリスクを低減することが統計調査から示されたことから始まっています。
1998年に、Lemeshowらは、ワインの摂取と痴呆症の発症について、3年間にわたる調査を行いました。調査は、赤ワインの名産地の1つ、ボルドー地域で行われました。
その結果、65歳以上で、ワインを250cc以上飲んでいる人が痴呆症になりにくいというデータが示されました。
▼ワインの摂取量と痴呆症の発症率 (Lemeshowらの報告より抜粋)
飲まない・・・・・・・・ 4.9%(48/971人)
250cc未満・・・・・・ 5.1%(47/922)
250cc以上・・・・・・ 1.1%(4 /380 )
なんと、ワインを飲んでいた人のほうが、痴呆症の発症率が1/4になっていたのです!!
そして、この報告を皮切りに、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究が数多くされるようになったのです。そして、どんなメカニズムでレスベラトロールが痴呆症を防ぐかもわかり始めているのです。
引用文献:Lemeshow S, Letenneur L, Dartigues JF, Lafont S, Orgogozo JM, Commenges D. Illustration of analysis taking into account complex survey considerations: the association between wine consumption and dementia in the PAQUID study. Personnes Ages Quid. Am J Epidemiol. 1998 Aug 1;148(3):298-306.
そして、そもそも、レスベラトロールの痴呆症への研究は、赤ワインの摂取が痴呆症のリスクを低減することが統計調査から示されたことから始まっています。
1998年に、Lemeshowらは、ワインの摂取と痴呆症の発症について、3年間にわたる調査を行いました。調査は、赤ワインの名産地の1つ、ボルドー地域で行われました。
その結果、65歳以上で、ワインを250cc以上飲んでいる人が痴呆症になりにくいというデータが示されました。
▼ワインの摂取量と痴呆症の発症率 (Lemeshowらの報告より抜粋)
飲まない・・・・・・・・ 4.9%(48/971人)
250cc未満・・・・・・ 5.1%(47/922)
250cc以上・・・・・・ 1.1%(4 /380 )
なんと、ワインを飲んでいた人のほうが、痴呆症の発症率が1/4になっていたのです!!
そして、この報告を皮切りに、レスベラトロールの痴呆症への効果の研究が数多くされるようになったのです。そして、どんなメカニズムでレスベラトロールが痴呆症を防ぐかもわかり始めているのです。
引用文献:Lemeshow S, Letenneur L, Dartigues JF, Lafont S, Orgogozo JM, Commenges D. Illustration of analysis taking into account complex survey considerations: the association between wine consumption and dementia in the PAQUID study. Personnes Ages Quid. Am J Epidemiol. 1998 Aug 1;148(3):298-306.
2008年01月14日
赤ワインポリフェノール レスベラトロールがアルツハイマーに良い訳
以前に朝日新聞で、日本人女性は、遺伝子学的にアルツハイマーになり易いということがわかった、と書かれていました。常に年老いていくことを避けられない我々としては、非常に気になる記事ですね。
実際、このアルツハイマー病などの痴呆症などの原因は、今も不透明なところが多いですが・・・
近年、アルツハイマーなどの痴呆症の一因は、脳におけるβアミロイド(βアミロイドペプチド)の産生とその異常沈着であると推測されています。
これは、いわゆるアミロイド・カスケードと言われるもので、アミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein,APP)からのβアミロイド産生→異常凝集(アミロイド線維形成)→神経毒性発現→神経原繊維変化→神経細胞の死→脳萎縮という経過をたどります。
一方、赤ワインの摂取が痴呆症のリスクを低減することが統計調査から示され、その後の実験でこのリスク低減を促す物質の1つがレスベラトロールであることが明らかになり始めています。これらの研究により、現在、レスベラトロールの痴呆症に対する効果の研究が数多く行われています。
例えば、Marambaudらは、2005年、いくつかの細胞培養系でを用いて実験を行った結果、レスベラトロールがアルツハイマー病患者の脳内に見られるβアミロイドペプチドの生成を止めはしないが、分解を促進し、しかも他の抗酸化剤の中では作用が群を抜いていたと報告されています。
すなわち、レスベラトロールのアルツハイマー予防効果を示唆しました。
Marambaud P, Zhao H, Davies P. Resveratrol promotes clearance of Alzheimer's disease amyloid-beta peptides. J Biol Chem. (2005) 280(45):37377-82.
そのうち、アルツハイマー病や痴呆症の予防薬や特効薬がこのレスベラトロールから作られるかもしれませんね・・・。それまでは、赤ワインや赤ワインサプリで、レスベラトロールを摂るしかないようです・・・。
実際、このアルツハイマー病などの痴呆症などの原因は、今も不透明なところが多いですが・・・
近年、アルツハイマーなどの痴呆症の一因は、脳におけるβアミロイド(βアミロイドペプチド)の産生とその異常沈着であると推測されています。
これは、いわゆるアミロイド・カスケードと言われるもので、アミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein,APP)からのβアミロイド産生→異常凝集(アミロイド線維形成)→神経毒性発現→神経原繊維変化→神経細胞の死→脳萎縮という経過をたどります。
一方、赤ワインの摂取が痴呆症のリスクを低減することが統計調査から示され、その後の実験でこのリスク低減を促す物質の1つがレスベラトロールであることが明らかになり始めています。これらの研究により、現在、レスベラトロールの痴呆症に対する効果の研究が数多く行われています。
例えば、Marambaudらは、2005年、いくつかの細胞培養系でを用いて実験を行った結果、レスベラトロールがアルツハイマー病患者の脳内に見られるβアミロイドペプチドの生成を止めはしないが、分解を促進し、しかも他の抗酸化剤の中では作用が群を抜いていたと報告されています。
すなわち、レスベラトロールのアルツハイマー予防効果を示唆しました。
Marambaud P, Zhao H, Davies P. Resveratrol promotes clearance of Alzheimer's disease amyloid-beta peptides. J Biol Chem. (2005) 280(45):37377-82.
そのうち、アルツハイマー病や痴呆症の予防薬や特効薬がこのレスベラトロールから作られるかもしれませんね・・・。それまでは、赤ワインや赤ワインサプリで、レスベラトロールを摂るしかないようです・・・。